株式会社 イナック
【企業紹介(HPより)】
お客様視点のモノづくり 最新技術と最高パフォーマンスの追求
“ 試作業界のユニーク 『独創』カンパニー 株式会社イナック ”
当社は1997年3月、愛知県三河の地岡崎市に誕生致しました。
創業より開発試作品の専業メーカーとして主に樹脂材を使用した工業用デザイン・ワーキングモデルの製造に特化し、自動車・医療・インテリアなど幅広い業界に精密試作品をご提供してまいりました。
特に今、お客様にご好評いただいている「透明可視化モデル品」は切削加工技術と高度な透明化処理を駆使し開発したもので、内部の流動解析、動作確認などの要求に最高のQCDでお応えしています。
また、お客様の手配時の負荷軽減にお役立て頂けるよう、社内でのワンストップ受注体制を整え、工法においては切削加工、3Dプリンター造形、真空注型による簡易成型、塗装/アルミ蒸着メッキ加飾など試作品の完成形までを社内一気通貫で承っております。
拠点におきましては、国内に2拠点の製造工場、海外では中国に工場とテクニカルセンターを設置し、納期集中時や長期連休への対応など柔軟な体制で稼働しております。
販売拠点としましては、愛知本社の営業部を中心に、関東方面のお客様には東京営業所を設置し、提案力とレスポンスに長けたサービスを展開しております。また、2019年5月には米国カリフォルニア州トーランス市にINAC US, Inc.を設立いたしました。日本・中国・アメリカから、世界に向けて高品質な試作品をお届け致します。
“ ユニークカンパニーイナック ” は今後も国内外を問わず確かなモノづくりと幅広いサービスを展開して参ります。
【企業概要】
■会社名:株式会社イナック
■所在地:愛知県岡崎市大西町揚枝23番地1
■連絡先:TEL. 0564-27-1855
FAX. 0564-27-1856
■創業:1997年
■代表者:代表取締役 谷口 武司
■事業内容:企画・デザイン・モデリング・/筐体/機構/電気設計・樹脂・鉄/非鉄金属切削加工・ポリカーボネート高透明切削加工・磨きレス アクリル高透明 切削加工・透明光造形(3Dプリンター)・真空注型・加飾処理(二次加工・簡易型(アルミ型)射出成型・旋盤加工、板金加工など・量産品・寸法測定受託
【取材記事】
同社にお伺いして専務取締役の谷口様と製造部の石川様にお話をお伺いしました。事業への取り組み内容や今後の方針についてお聞きしました。
同社は特に「透明モデル」に力を入れており、他社には無い高度な技術を有しています。透明モデルを始めた経緯や技術力についてもお聞きしました。
専務取締役 谷口 博司 様 (奥)
製造部 石川 雅也 様 (手前)
同社の強みについて
同社の強みについては、まずは試作例を見ていただくのが早いと思います。写真は自動車・産業機械などに使用されるエンジンとトランスミッションの内部可視化モデルです。ほとんどが透明部品で出来ており、なんと実際に内部にオイルを流し観察することが可能です。シミュレーションでは解析が難しい自重でのオイル落としや、泡の発生を観察することが可能になっています。動画がありますのでぜひ見てみてください。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=11&v=oVVE5xjdPL8&feature=emb_logo
これだけ大きくて複雑な透明モデルを高いクオリティで仕上げられる試作会社は、日本、あるいは世界でも珍しいのではないでしょうか。特に透明モデルは少しの傷や気泡も目立ってしまいます。株式会社イナックは、透明モデルに圧倒的な強みを持つ実にユニークな企業です。
沿革
同社の創業は 1997 年と、試作メーカーでは比較的新しい企業です。大阪の試作メーカーから、現代表取締役の谷口武司氏が独立する形でスタートしています。
その後、NC切削加工、光造形、真空注型など次々と業務内容を拡充し、今では企画からデザイン、試作、塗装までワンストップで手掛ける試作会社に成長しています。
透明モデルに関しては、スタート時から受注はあったものの、本格的に手掛けることになったのは2008年のリーマンショックからとのこと。当時受注が大きく減る中で、同社の社員から「透明にするのって、面白くないですか?」という意見が出たそうです。それ以来「超可視化品」をテーマとして、透明モデルへの取組が始まりました。
今では「透明品はイナックさんに全部任せるよ」と多くのお客様から好評いただいているそうで、透明品=イナックのイメージが浸透してきています。
「対応力」がカギ
同じ透明モデルでも、素材がアクリルかポリカーボネイトかレジンか?成型方法は切削か注型か光造形か?仕上げは磨きか溶剤処理か?接着は?など、お客様の要望次第で、様々な対応をしていかなければベストな試作品は出来ません。
長年に渡りお客様の課題に取り組んできた結果、透明モデルに対するノウハウが蓄積されたとのこと。同社ならではの、お客様のあらゆる要望への「対応力」がカギです。今では外部メーカーと協力して専用の素材や接着剤、工具も開発しており、ますます対応力に磨きが掛かっています。
透明モデルを突破口として、あらゆる要望に対応
透明モデルが同社の売りとはいえ、実際の受注は透明モデル以外が大半を占めています。透明モデルでの知名度を活かしながら、営業マンが地道にお客様の「困り事」を聞くことで、継続して安定した受注実績につながっているとのことでした。
国内の社員約40名の内、実に10名は営業マンとのことで、同社がいかに営業に力を入れているかが分かります。
また最近は同社ウェブサイトからの問合せが増えてきており、製作実例の掲載数を増やしたり、動画での解説をするなどウェブサイトの充実に力を入れています。
製作フローの紹介
同社ウェブサイトではお客様の了解を得て、製作実例を詳しく紹介しています。実例写真だけを紹介するのが普通ですが、ここまで詳細に紹介しているのは非常に珍しいと思います。
下の写真は、鋳物金型のための透明モデルの実例です。鋳物金型の充填不足や内部に「巣」ができる原因を探るため、透明モデルを使って金型内部の流動解析を行っています。ウェブサイトでは打合せから、3Dモデリング、製作、完成品による解析までの手順が分かりやすく説明されています。
今後に向けて
現在、愛知県の本社の他、東京と米国に営業拠点、中国に工場があり、同社の得意先は世界に広がっています。
株式会社イナックは、透明モデルをアイキャッチにしながら、幅広い対応力で試作業界に新風を巻き起こしています。今後の同社の取組みに注目していきたいと思います。
※デザインドリブン・イノベーションプロジェクトについて
本事業の運営・管理は工業デザイン事務所(株)コボが行っています。
■ 運営/管理:工業デザイン事務所(株)コボ
〒466-0855 名古屋市昭和区川名本町2-58-4
tel:052-763-7166 fax:052-763-7169