ツカサ工業 株式会社
食品業界を中心にした粉体関連の機器・システム・プラントを製造・販売。食品粉体輸送設備で国内トップクラス。これまで培った技術をベースに、薬品・化学品・電機電子分野への販売拡大を目指している。
自動開袋システム
・今まで人力に頼っていた粉袋の供給・異物除去・開袋を全て自動で行う装置。
ディバイダースケール
・ハイブリッドCEモデル
投入した小麦粉などの粉を、異物を除去しながらストックして、かつ1g単位まで正確に計量できる。2021年度グッドデザイン賞を受賞。
【企業紹介(HPより)】
「粉体」とテクノロジーを融合させて、お客さまと社会に貢献する新しい価値を創造します。
暮らしに身近な食品や医薬品をはじめ、エレクトロニクスやロケットの最先端分野まで、ツカサ工業は粉体技術のリーディングカンパニーとして幅広い市場に新しい価値を提供することをめざします。現状に満足することなく、つねに飽くなき技術改革に取り組み、生産プロセスを革新する複合粉体機器の提供や、芸術性までも兼ね備えたプラントデザインを通して、お客さまとともに未来をひらく新しい価値の創造を追及します。
【企業概要】
■会社名:ツカサ工業株式会社
■所在地:愛知県半田市中午町178番地
■連絡先:TEL. 0569-22-3111
FAX. 0569-21-0101
■創業:1946年
■代表者:代表取締役社長 加藤康弘
■事業内容:粉砕、分級、乾燥、混合、計量、輸送、供給、排出、貯槽、集塵、トレーサビリティなどの粉体機器製造・販売及び粉体プラントエンジニアリング
【取材記事】
ツカサ工業株式会社にお伺いして、技術部・部長の岡田様と営業部の神谷様に、先進的な同社のバーチャルショールーム「TSUKASA VR SHOWROOM」への取組についてお聞きしました。
VRショールームについて
同社のウェブサイトを訪れると、最初に目にするのが、この「TSUKASA VR SHOWROOM」です。
「自動開袋システム」「ディバイダースケール(ターミナル型/ダンピング型)」「ミキシングモジュール」など、同社の機器がVR空間に多数展示されており、誰でも自由に見ることができます。実際の製品CADデータから3Dにモデリングしており、限りなく実物に近い状態で見ることができます。
2020年に展示エリア1、2021年に展示エリア2、2022年に展示エリア3と、順次展示エリアを拡大してきました。展示エリア1、2では同社の各種製品紹介、展示エリア3では、オンラインセミナーやメンテナンス情報、難加工材の開発情報などを提供しています。
業界に先駆けて取組をスタート
産業機器のメーカーとして先進的な同社のVRショールームですが、どのような経緯で始められたのかをお聞きしました。
スタートは2020年の初め頃。コロナ感染症がニュースで取り上げられているものの、国内にはまだ広まっていない時期です。
同社の経営陣は、コロナパンデミックにより、国内外問わず展示会や営業手法そのものの在り方が従来とは全く違ったものになると予想し、VRショールームへの取組を開始しました。
コロナ禍に先手を打った形ですが、経営陣の先見の明には驚かされます。
早期の3D導入が功を奏する
VRショールームに先立ち、同社では2018年に3D設計ソフトSolidWorks(ソリッドワークス)を導入しています。VRショールームの開始時期には、すでに設計において3D化が進み、且つVR制作コストが手の届く範囲になってきたことも良いタイミングでした。
VRショールーム導入のメリット
VRを活用した製品展示に関しては多くの企業が興味を持つと思います。ここで実際の営業活動におけるメリットについてお聞きしました。
メリット①
リアルの展示会やショールームではスペースの関係で展示できない全体設備(プラント)のイメージを伝えることが可能で、実際のライン構成の参考になります。また、サイロなどの大型機器もVRであれば大きさを実感することができます。展示会ではここまでのサイズは展示出来ないので、お客様に非常に説明しやすくなります。
メリット②
VRショールームでは、展示場内から機器の解説動画やウェブカタログへのリンクが貼ってあるため、各種機器の情報取得が非常に容易になっています。お客様からは非常に利用しやすいと好評とのことです。
メリット③
同社の営業拠点は愛知県半田市にあり、常設展示場も同じ場所にあります。国内でも遠隔地や、海外のお客様の場合は、ZOOM等のオンライン打合せを行っており、その際の機器やプラントの説明用のツールとして活用しています。また、海外のお客様の場合は言葉のニュアンスの問題もあるため、映像で説明すると、より正確に伝わるそうです。
2次元図面ではなかなかイメージが伝わらないことが多いため、3Dで説明できるVRショールームはお客様とのコミュニケーションツールとして非常に有効だとのことでした。
またVRショールームにおいては、最新の機器やプラント例を速やかに展示したり、既設展示機器を常に最新型のモデルに差し替えたりすることが可能ですから、展示する側の企業にとっても大きなメリットがあります。
ユーザインタフェースについて
お客様が閲覧される際のツールについてもお聞きしました。やはりビジネスツールのため、パソコンから見ている方が多いとのこと。ユーザーインターフェースについては、エリア1の開設時には気付かなかった点や時代の要請に合わせ、これまでにも数回に渡り操作性の向上、改善を図っているとのことです。
改善を重ねながら活用の場を広げる
同社のVRショールームは、2020年以降、順次展示エリアを拡大してきました。今後も、お客様にとってより使いやすく、より魅力的なVRショールームへと改善を重ねていくとのことです。
ツカサ工業は粉体関連の機器・システム・プラントに強く、特に食品粉体輸送設備では国内でトップクラスのシェアがあり、今後は薬品、化学品、電気電子分野への販売拡大を目指しています。粉体に関して興味をお持ちの企業様はぜひ同社のVRショールームを訪れてみてください。
※デザインドリブン・イノベーションプロジェクトについて
本事業の運営・管理は工業デザイン事務所(株)コボが行っています。
■ 運営/管理:工業デザイン事務所(株)コボ
〒466-0855 名古屋市昭和区川名本町2-58-4
tel:052-763-7166 fax:052-763-7169