株式会社 ファースト
デザインのいい街で暮らしたい
名古屋市に本拠を置く、サイン・ディスプレイ用品メーカー。「デザインのいい街で暮らしたい。」を行動指針とし、商品ラインアップ中の11シリーズがグッドデザイン賞を受賞するなど、デザインを重視した高品質で洗練された製品を製造・販売・開発している。
【企業概要】
■会社名:株式会社 ファースト
■所在地:名古屋市天白区原1丁目815番地
■連絡先:TEL. (052)803-6131
FAX. (052)802-7131
■創業:昭和43年 ■設立:昭和53年
■代表者:代表取締役社長 水本貴士
■事業内容:サイン・ディスプレイ用品製造販売
本社・SP館
【取材記事】
株式会社ファーストはサイン・ディスプレイ用品を専門に開発するメーカーです。
サイン・ディスプレイとは、広告看板、案内表示、POP広告など、街を歩いていて良く目にする広告看板や、私たちを誘導してくれる案内看板などのことです。
1968年に創業以来、同社はオリジナリティの高い商品開発を続けており、現在ではサイン・ディスプレイ業界のリーディングカンパニーとして高い評価を得ています。
【サイン・ディスプレイ製品】
ここで同社の代表的な商品をご紹介したいと思います。グッドデザイン賞を受賞した、サインスタンド・RXシリーズです。独特のカーブしたデザインが目に留まります。
RXシリーズは、工事現場にあるような従来の武骨な立て看板のイメージを一新し、おしゃれなカフェに置いても違和感のないデザインとなっています。広告面が大きくカーブしていることから、風などの抵抗を軽減できる機能性も備えています。
このサインスタンドのもう1つの大きな特徴は、「組み立て・分解式」であることです。次ページのイラストのように、脚部、広告部のフレーム及びジョイントパーツは全て分解できます。分解できることで、発送の際の梱包サイズが小さくなり、リサイクルが容易になるなどの利点があります。
さらに大きなメリットは、広告部のサイズ(幅・長さ)が自由に設定できることです。フレームはアルミ押出し材のため、長さを変えれば様々な大きさのサインスタンドが製作できます。この「組み立て・分解式」のシステムが同社製品の大きな特徴となっています。
【RXシリーズ】
「4X工法」が業界の常識を変えた
ファーストでは、「機能」「サイズ」「素材」「デザイン」を自由に変えることができる同社独自の工法を「4X工法」と呼んでいます。製品の基本的なパーツを共通化することによって、様々なユーザーのニーズに素早く対応できるモノづくりの方式です。つまりは、サイン・ディスプレイの「システム化」ということです。
「システム化」はパソコンの例がわかりやすいと思います。パソコンは、CPUやメモリ、記憶装置などのパーツを自由に選んで作ることができます。これによってユーザーの要望に応じた製品が提供できます。この「システム化」方式をサイン・ディスプレイで実現したのが「4X工法」です。
同社がこのシステムを導入したのが2003年頃のこと。それまで溶接等による一品製作が当たり前だった業界では実に画期的なことでした。
【4X工法のパーツ(上)と製品群】
短納期・多品種少量生産を実現
「4X工法」では、汎用性の高い共通部品を中心にあらかじめ部材をストックしておくことで、完成在庫を持つことなく短納期で多品種少量生産を実現しています。
従来は、サイン・ディスプレイ業界では受注生産が当たり前でした。お客様の要望を聞き、仕様を決め、図面を書いてから製作するため、長い納期が掛かっていました。お店の開店にサインスタンドが間に合わない、という事態もありました。
そこに登場したのが同社の新システムです。「4X工法」による短納期・多品種少量生産というシステムは、業界にとって実に画期的なシステムであり、ユーザーの支持を得て広く受け入れられることになりました。
業界に先駆けて
デジタルサイネージに進出
今や街中でよく見かけるデジタルサイネージ。駅や店舗などに設置してある液晶モニター式のデジタル看板です。このデジタルサイネージに関しても同社は業界に先駆けて早くから手掛けています。
参入したのは2006年頃。まだブラウン管が現役だったころであり、実際に同社ではブラウン管を使ったデジタルサイネージも試作していました。
【デジタルサイネージ「Comabo」】
その頃はまだ液晶モニター自体が高価であり、なかなか一般に普及する価格帯ではありませんでした。街中にもほとんどデジタルサイネージが無かった時代です。それでも同社はデジタルサイネージの将来性に大きな可能性を見出していました。いずれは液晶モニターが普及し価格も安くなると見て、積極的に商品開発を進めていました。
デジタルサイネージを開発する際に大きなアドバンテージとなったのが、同社の「4X工法」です。パーツをストックして組み立てる方式は、サイズの異なる液晶モニターをセットすることが非常に容易にできたからです。
デジタルサイネージシリーズ「Comabo(コマボ)」は、現在同社のまさに看板商品となっており、売り上げのトップを占めるまでになっています。業界に先駆けて参入したからこそ、ここまで成長できたといえます。
今後は、本体だけでなく映像部分も含めたデジタルサイネージ・システムを提供していきたいとのことで、ワンストップでデジタルサイネージのサービスを提供できる体制を構築し、お客様の要望にできる限り応えていきたいとのことでした。
環境対応で業界に先駆ける
サイン・ディスプレイ業界においても、SDGsに対応する環境問題への取り組みは重要になっています。
同社の製品は元々が分解できる仕様のため、廃棄の時は素材ごとに分別しリサイクルすることができます。そういった意味ではすでに業界に先がけて環境対応を行ってきたといえます。
現在は、繊維をリサイクルしたサイン面板を商品化するなどしており、今後はリサイクルへのさらなる対応や廃棄材の再利用など、環境対応を積極的に進めていきたいとのことです。
デザインのいい街で暮らしたい
同社のサイン・ディスプレイはシンプルで機能性に優れており、今では街のいたるところで頻繁に目にすることができます。大型のショッピングモールにも多数導入されており、読者の皆さんも、知らないうちに同社のサイン・ディスプレイを見ているはずです。
「デザインのいい街で暮らしたい。」がファーストの行動指針です。今後も街の風景が良くなるような同社の新製品開発とデザインに期待したいと思います。
※デザインドリブン・イノベーションプロジェクトについて
本事業の運営・管理は工業デザイン事務所(株)コボが行っています。
■ 運営/管理:工業デザイン事務所(株)コボ
〒466-0855 名古屋市昭和区川名本町2-58-4
tel:052-763-7166 fax:052-763-7169