FRAMEWORK

デザインドリブン・イノベーションとは


日本の中小企業の多くは大企業の下請けであり、これまでは客先の求める仕様の商品を「正確に早く安く」作ることに注力してきました。そのため、自社で企画から考えて商品化まで進めるという経験が少ないのが現状ですそのため、商品の開発過程で以下のような問題が起こりがちになります。

 

①自社内で自社の強みを正確に認識できない

 

②市場ニーズを探ることなく、独りよがりな商品企画を立ててしまう

 

③流行のヒット商品の後追いをしてしまう(商品化されたときは既にブームは去っている)

 

④自社のみで商品化を完結させようとしてしまい商品の完成度が低くなる

 

⑤販路が無い商品を開発してしまう

 

 

デザイン思考がイノベーションを誘発する過程

 

私の所属する(株)コボでは、企業と一緒に新規商品開発を行う際に「デザイン思考」の開発ステップを応用し開発を進めています。「デザイン思考(Design Thinking)」とは、ユーザーが抱えるニーズを起点に、アイデアやプロダクト制作、効果検証などを行いながら課題解決に取り組む思考様式・プロセスを指しています。具体的には以下の5つの開発ステップを行き来しながら繰り返し行うことで、市場の求められる商品やサービスを生み出していく手法です。

 

(株)コボでは、主に中小企業をクライアントとして、色や形をデザインする「スタイリング」だけでなく、中小企業の成長に関わる戦略的案件や大ヒット商品誕生による企業成長案件も多く手掛けてきました。上記のような問題を解決していくためには、経験豊富な外部の商品開発プロデューサーの支援が不可欠と考えています。

 【デザイン思考の開発ステップ】

 

ステップ①:インサイトの発見(「共感」と同義)

 

>「インサイト」とは洞察の意味。まだ市場に出ていない商品・サービスの隠れたニーズ探索を行う。

 

ステップ②:コンセプトの策定(「定義」と同義)

 

>商品の大まかな方向性を「仮説」として定義する

 

ステップ③:アイデア展開

 

>「仮説」に基づいて様々なアイデア出しを行う

 

ステップ④:プロトタイプ作成

 

>アイデアを簡単なプロトタイプ(模型)で形にしてみる

 

ステップ⑤:ユーザー評価

 

>プロトタイプをユーザーに評価してもらう

 

この過程を行ったり来たりしながら繰り返すことが「デザイン思考」を活用した商品・サービス開発手法。